「保育士って退職金はもらえるの?」「退職時に支払われるべきお金ってどんなものがあるの?」
保育士として働いていても、退職金制度がない園や正当な賃金が支払われないケースも少なくありません。特に、退職時の手続きや権利を知らないまま辞めてしまうと、本来もらえるはずのお金を受け取れない可能性もあります。
本記事では、保育士が退職時に確認すべき待遇や権利について詳しく解説します。
1. 保育士に退職金はあるのか?
① 退職金制度の有無は園ごとに異なる
退職金制度があるかどうかは、園の就業規則や労働契約によって決まります。
- 公立保育園:自治体の地方公務員退職手当が支給される
- 私立認可保育園:法人ごとに退職金制度の有無が異なる
- 認可外保育園:退職金がないことが多い
退職金制度がある場合、何年以上勤務すればもらえるのか、どのような計算方法で支給されるのかを確認しましょう。
② 退職金の計算方法
退職金の計算方法は園ごとに異なりますが、一般的には以下のような計算式が使われます。
退職金 = 基本給 × 勤続年数 × 支給率
たとえば、基本給20万円で10年間勤務し、支給率が1.5の場合:
20万円 × 10年 × 1.5 = 300万円
ただし、退職理由によって支給額が変わることもあります。
- 自己都合退職:支給率が低い or もらえないことが多い
- 会社都合退職:支給率が高くなるケースがある
退職金の有無や金額については、必ず就業規則を確認し、不明な場合は園に直接問い合わせましょう。
2. 退職時に確認すべきその他の待遇と権利
① 有給休暇の消化
退職時には未消化の有給休暇を取得する権利があります。
- 法律上、退職時に有給休暇の買取を義務付ける制度はない
- ただし、園が買取を認める場合もある
有給が残っている場合は、退職日までに消化するのが一般的です。
② 最終給与と未払い残業代
退職時には、未払いの給与や残業代が適切に支払われているか確認しましょう。
- 最終給与が退職後1ヶ月以内に支払われるか確認
- 残業代が正しく計算されているかチェック
残業代が未払いの場合、労働基準監督署に相談することで請求できる場合があります。
③ 社会保険の手続き
退職後は健康保険・年金の切り替えが必要になります。
- 国民健康保険に加入する(市区町村で手続き)
- 厚生年金から国民年金に切り替える(14日以内に手続き)
家族の扶養に入る場合は、収入要件を満たしているか確認しましょう。
④ 退職証明書・離職票の発行
退職後、次の仕事を探すために退職証明書や離職票が必要になる場合があります。
- 退職証明書:新しい職場で必要になることがある
- 離職票:失業保険の申請に必要(退職時に会社へ請求)
離職票は退職後10日以内に発行されるのが一般的ですが、遅れる場合は園に問い合わせましょう。
3. 退職金や未払い賃金をもらえない場合の対処法
① まずは園に確認する
退職金の支払いがない場合、まずは就業規則を確認し、園に問い合わせましょう。
② 労働基準監督署に相談する
退職金や未払い賃金の支払いがされない場合は、労働基準監督署に相談することで解決できる場合があります。
- 証拠として給与明細・契約書を用意
- 「未払いの賃金がある」と具体的に伝える
③ 弁護士や労働組合に相談する
園が対応してくれない場合は、労働問題に強い弁護士や労働組合に相談するのも選択肢の一つです。
まとめ:退職時の権利をしっかり確認しよう
保育士が退職する際には、退職金や未払い賃金、有給休暇の消化など、しっかり確認すべきポイントがあります。
- 退職金の有無を就業規則で確認する
- 未消化の有給休暇を退職前に取得する
- 未払い賃金や残業代が正しく支払われているか確認する
- 社会保険や年金の手続きを退職後14日以内に行う
退職時の待遇や権利を正しく理解し、損をしないように手続きを進めましょう。